NAB就業教育研究所

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所長'sファインダー

「飯を食える大人」を育て、支えることに拘る、
赤坂にあるNAB就業教育研究所所長、佐々木直人のあれこれブログ。

プロフィール

佐々木直人

1973年生。
1998年三菱商事株式会社入社。ベンチャー企業の起ち上げから中央官庁まで、国・業界を問わず様々な新規事業を担当。中途採用のスキームを提案し面接官として合否判定や育成施策の企画にも携わる。 情報戦略統括部、経営企画部を経て独立し、2011年NAB就業教育研究所を設立。 学生や若手社会人のスキル向上、キャリア形成に正面から向き合い続けている。

働き方改革って何だっけ?

カテゴリー:これからの働き方



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 1. 今週の気になった話 「働き方改革って何だっけ?」
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●芳野 
流行ってますねぇ、働き方改革。なんか勘違いしてる人が多いのですが、働き方改革って「残業やめましょう」「早く帰りましょう」ではないんですよね。
今までは一旦就職したら、その企業に面倒みてもらうという直線的なキャリア観が主流でしたが、今後は例えば、以下のようなことが普通になっていくと思います。

・大学卒業した後、何かしらの活動をした後に就職する
・転職して、また元の会社に戻ってくる
・就職した後に、学校で学び直す
・全く違う専門分野に行く
・3年働いて、3年休んで、3年働いて、3年休んで……の繰り返し
・副業する
・自分でも法人を持つ
・組織には所属せずに、プロジェクト単位で仕事を持つ

自分で考えて、自分で決めていける人にとっては超楽しいキャリアになるでしょう。リスクを取って動ける人は、なんだってできます。一方、相変わらず「しがみつきたい」と思ってる人には、地獄のような世界になるかもしれません。
さて、こういった未来のキャリア観も踏まえて、最初の一社はどう選びますか?就職で何を大事にしますか?
「将来役に立つスキルを身につけられる」とか「人脈作れそう」とか「転職で有利になりそう」とか思った人、逆ですよ。それを、しがみつき根性と言います。

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【イベント告知】1/30@上智大学 JT人事部・高橋さんと
   これからの「働き様」を一緒に考えよう!
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日時:1月30日(火)13:00~16:00
会場:上智大学 2-B212教室  ※※他大学生も参加可能です※※  ここから予約!(WORKSHOP 5です)

この仕事してると、「この人はすげぇ!」って人に出会います。その一人がJTの高橋姐さんです。物凄い魅力的な方で、いよいよ人事から更なるステップアップをされるため、人事として学生と触れる最後の機会!
働くイメージがわかない、やりたいことが見つからない、なんかエンジンかかんない。。そんなあなた!この人に会わずして就活が終われるか!?

テーマは「AI、人口減少などの環境が変化する中で、働くを一緒に考える」です。働くことの価値観の話や、これから求められる力として「考える力」ってなんだろう?というのを高橋さんと一緒に考えてみて下さい。

当日は、「佐々木さんに強く薦められてきましたー!」って是非挨拶してみてください。ホンッと惚れちゃいかねない素敵な先輩ですよ。これを上智大学で独り占めじゃもったいない!僕には一銭も入りませんが、みんなにぜひ、一度は会ってほしい!! (佐々木)

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2. Q&Aコーナー
佐々木&芳野は事前の打ち合わせなしでそれぞれ独自に
回答しているので、全然違うアドバイスになることも!?
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Q.1 「SE職につきたいと考えています。ブラック企業が多いと聞いていて少し不安です。佐々木先生、芳野先生のブラック企業の基準が知りたいです。四季報などを使っても今一つわかりません。」

●佐々木:
IT業界って独特で、業界の中にさらに「主とする事業が異なる5つの業界」みたいなもんがあるのよ。例えばITの基盤となる“回線貸し”ができるNTT東日本のような一次回線事業者、その回線をつないで情報処理をするためのサーバーやPCといった“箱モノ”を売る日本IBMなどのハードウェアメーカー。そのうえにアプリ作る業界、Webサービス作る業界などなどがあるんですけど、タチが悪いことにどの分野でも実際にプログラム書く人を「SE」って呼んじゃってます。実際には対面する業界や仕事の進め方、求められる知見ノウハウもかなり違ってくるので自分が行きたい会社では具体的に何をするのか丁寧に見てみましょう。
さて、ブラック企業の基準ですね。僕は新卒で皆さんが社会人の第一歩を踏み出す環境として「ルールとモラルの定義を明確に教えてくれて、どの範囲で仕事をすべきかを明確に学べる」ことが非常に重要だと思っています。つまり、ルールとモラルをないがしろにして平気な企業は避けた方がいいです。第一歩でさもしく貧しい仕事観を植え付けられかねません。
また、「人の不幸が自社利益の源泉になっている」会社も、個人的には大っ嫌いです。

●芳野:
ブラック企業とは、「自分で納得せずに働いている会社」のことです。つまり、ブラックかどうかは、人によって異なるということです。ワタミで幸せに働いている人もいますよ。



Q.2「こんにちは、以前お二人の講義を受けたことがあるものです。以前、webテスト対策について質問されている方がいらっしゃいましたが、私もWebテストについて質問です。私は第一志望だった企業に夏秋とインターンシップに行き、OB訪問もし、説明会では積極的に質問や発言をしてできる限りのことはやってきたのですが、いざ選考となった時にWebテストで落とされてしまいました。対策をしてから受験したつもりですが、私の能力が至らなかったようです。その企業のことはどの就活生よりも知っているつもりでしたし、自分の熱い志望動機を聞いてもらう前に落とされてしまったことが悔しくてなりませんでした。前置きが長くなってしまいましたがここからが質問です。就活生の中には自分のwebテストをWebテストが得意な先輩や同級生に代理でお願いする人も多いようです。私はそんなことは絶対にしたくははないのですが、前述したWebテスト落選のようにこのまま人間性を見てもらう以前に諦めなければならないという状況は辛いものがあります。お二人はWebテストを代理で行ってもらうことについてどうお考えでしょうか。長く乱雑な質問になってしまい申し訳ありません。」

●芳野:
ちゃんと行動しているみたいで、素晴らしいですね。質問も具体的で、わかりやすいです。

Webテストについてですが、使い方は企業によって様々で、Webテストの点数をそのまま足切りに使っている企業もあれば、本当は違う理由(学校ランクとか男女比とか)で調整しているけど、そうは言えないので表面的に「Webテストで落ちました」ということにしている企業もあります。これは本当に企業ごとにバラバラで一概には言えません。

僕は君のような頑張っている(行動している)学生は好きですが、世の中の仕組みを知ることも大事ですので、落ち込まずに上記のようなメカニズムは理解してください。

その上でどうするかは、自分で決めるしかありません。僕は個人的には他の人に代理をしてもらうことは好きではありません。たぶん、もっと頑張ってWebテストの勉強をします。しかし、代理で誰かに受けさせる人がいるのも事実です。まあそれはそれで一つの戦い方かもな、とも思います。

スポーツでも、審判が見えないところでラフプレーする人は結構いて、それも作戦のうちだと言う人もいますし、いやいやそんなのダメでしょという人もいます。この辺は議論してどちらが正しいかを導き出しても仕方のないことだと思います。

メカニズムはちゃんと知っておいてください。その上で、自分はどう戦うのかも考えてください。大事なのは、結果と納得感の両方です。

●佐々木:
辛かったね。本気で行きたかった企業なら猶更だよね。Webテストを代理でやってもらうことについては、「自分が納得できるやり方を貫くべき」だと思います。他人にやってもらう人は“本来企業側が監視すべきで、それを厳格にしないのは企業側の手抜き。だからその不備をついて人に協力してもらうという工夫をして片づけたんだから問題ない”という発想かもしれないね。なるほど、言われたことを言われた通りやって結果がでないより機転が利いた…とも言える?でも本当にそれでいいの?と考えちゃいますよね。

あなたに伝えたいことが2つあります。

一つ目は、物事には立場や過去の経緯などから色々な見方・考え方があることに思いを巡らせてほしい、ということ。

働き始めると様々な理不尽にぶつかり、自分とはまるで違う考え方、物事の捉え方に出くわすことがあります。どうしても合い入れないケースも出て来ると思いますし、その違いに一々苦しむと生き辛くなるでしょう。決して理不尽を受け入れろ、我慢しろ、ではありません。理不尽に対処する際に、「自分の信念に基づいて納得できる行動」を採ってほしいのです。そのためにも自分の見方だけでなく、なぜ違った判断があるのだろう、と自分と異なる判断をする背景にも思いを巡らせてほしいのです。それだけであなたの選択肢がより豊かになると思います。

二つ目は、そのあなたの実直さは今後大きな武器になること。

僕はあなたの考え方が好きです。物事に誠意をもって真摯に取り組む人と一緒に仕事をしたいと思っています。結局そういう性格の人、価値感を持つ人達と一緒に仕事をする方が、より自分が高いパフォーマンスを出せることに気づいたからです。実直さや誠実さや志の高さは、企業研修でどうにかなるものではありません。だからこそ入社後に伸ばしようのない貴重な資質だと思います。

今回の会社が純粋にWebテストの結果だけで判断したのか、他にも要因があったのを隠して単にWebテストの結果とだけ説明しているのかは分かりません。しかしその会社の採用方針として、あなたのような学生を取り漏らしてしまうこともやむを得ない、と判断をしたことは事実です。こればっかりは「お見合い」である以上受け入れざるを得ませんが、あなたのキャリア仮説を実現しやすい進路は他にもまだまだあるはずです。どうか、あなたが望まれて気持ちよく飛び込んでいける先と出会ってくれることを祈ってます。

まずはお疲れさま。そして、気持ちを切り変えて胸張っていきましょう!


Q.3「風邪はやってますね。佐々木さん、芳野さんが体調崩さないように工夫してることがあったら、教えてください!」

●佐々木
ナイスほっこり質問。こういうの大事だよね。僕の場合は身体に合う寝具にこだわってます。人生の1/3近くは睡眠中なので、枕とマットレスは疲れを取るためにしっかり投資してます。へたってくると買い替えますし、加齢で筋肉量が変化すればマットレスも変わりますから。起きた時に一切どこも痛まないのが理想。

あと、この時期は首を冷やさないよう外出時にネックウォーマーをすること、マスクをつけて喉を守ることは必ずしています。おかげで講師業をしてから冬場に体調を崩すことはなくなりました。

そうそう、ちょっと体調が崩れたと思ったらさっさとあったかくして寝てしまう、も有効です。大崩れしないように余力があるうちに休んじゃうって大事かも。

●芳野:
やっぱり基本は「食べる」と「寝る」でしょうね。

僕はオーガニック教ではないので、コンビニやレトルトも必要に応じて上手く使うことは大事だと思っていますけど、やっぱりああいうのだけじゃダメです。ちゃんといいものも食べてください。もちろん「いいもの=高級食材」ではありません。学生はもっと食費にお金をかけるべきだと、常々思っております。みんな食事をなめすぎです。

睡眠について大事なのは「あー寝てる場合じゃないのに!」という罪悪感を持たないことです。寝るのはいいことなので、ポジティブな気持ちで寝るといいですよ。「あー、今日も全力で生きたぜ!」と思っておふとんに入りましょう。

あとは加湿ですね。湿度によって、ウイルス感染のしやすさは、かなり変わります。外出時のマスクは、口腔内の保湿という意味で良いです。家にいる時は加湿器をがんがん使いましょう。特に寝る時の乾燥はめちゃ身体に悪いので、必ず加湿しながら寝てくださいね。


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もちろん掲載する際は匿名で扱います

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編集後記
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Q&Aの中でひとつ、いつもとは回答者の順番を変えて掲載しました。気づきましたでしょうか。

NABで学生におススメする本を挙げるとき、佐々木さんは、私が勧める本を入れてくれることがあります。それは東野圭吾さんの「手紙」です。社会にでてぶつかる理不尽な壁を、どのように受け止め、どのようにして乗り越えるのか、こちらが苦しくなるほどの現実を突き付けられる1冊です。テストが終わったら是非読んでみてください。(NAB栗田)

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