NAB就業教育研究所

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所長'sファインダー

「飯を食える大人」を育て、支えることに拘る、
赤坂にあるNAB就業教育研究所所長、佐々木直人のあれこれブログ。

プロフィール

佐々木直人

1973年生。
1998年三菱商事株式会社入社。ベンチャー企業の起ち上げから中央官庁まで、国・業界を問わず様々な新規事業を担当。中途採用のスキームを提案し面接官として合否判定や育成施策の企画にも携わる。 情報戦略統括部、経営企画部を経て独立し、2011年NAB就業教育研究所を設立。 学生や若手社会人のスキル向上、キャリア形成に正面から向き合い続けている。

3年生の心に灯を。その3つのコツ

カテゴリー:教育

いよいよ大学も後期の講義がスタート。下期は3つの大学でのキャリア帯講座をはじめ、スポットでも様々な大学にお邪魔します。今年も全国各地で活きのいい彼らに出会えるのが楽しみです。



先週大学の先生方と話をしていたら、まずは夏季休暇やら秋の連休やらなかなかエンジンのかかりが遅い学生のギアを上げていかないと、なんて話になりました。



またキャリアに関わる職員の方々とお話すると、「今年も、笛を吹いても踊ら無い困った時期がやってきた。4年生だってまだ続けている学生もいる中で…」なんて憂鬱なこえも。



でも。



ちゃんと3年生の目の高さで、3年生が何を見えているのかを意識すれば、キチンとスイッチ入ってくれますよ。このコメントペーパーのように。




そこで今回は、3年生にスイッチを入れるためにこの時期NABの講義で取り組んでいる工夫を3つ、ご紹介します。





1.これから1年間、何が起きるのか、全体像を見せる。

いやいや、確定したスケジュールなんてないから、というのはご尤もです。



スケジュールは①世間では就活に関してこれからどんなイベントが出てくるのか、②例年、学生はざっくりどんな準備をいつしているのか、に分けて説明します。



①のポイントは「採用が一年中行われている」ことを知ること。3月広報解禁・6月採用試験開始というのはあくまで日系の大手企業だけで、それは日本企業の0.3%の話。中堅中小零細外資系といったほとんどの企業とは全く関係ないことを知る必要があります。



②のポイントは「世間一般で言われる就活準備タスクを並べてみる」ことです。あまり細かくする必要はありません。いつ、何をすべきかの正解だってもちろんないわけですが、少なくとも「タスクの前後関係」と「この期間中にこれだけのタスクを準備しなければなら無い」ということだけでも分かれば、中身がどうであろうと全然時間が足りないということぐらいは、誰が見てもすぐに分かります。





2.不安な進め方。セオリーは「プロジェクト」。

ところがこのままでは、時間がないことは分かっても不安が募る一方。「どうやって進めたらいいんですか?」という疑問がみんなの顔に書いてあります。



そこで、就活とはどんな性質のものなのかを解説します。例えばこんな具合に。



 ①人によってスタート、ゴールの時期が違う。

 ②人によって、投入できるリソース(時間、お金、エネルギーその他)が違う。

 ③何が望ましいゴールなのか。これも人によってちがう。

 ④予期せぬ、しかも初めてぶつかるような困難や局面がたくさんありそう。

 ⑤その都度、最新の状況を把握して、自分にとって一番プラスになるよう

  自分で判断していかなければならない。



こうした特徴を持つものとは?そう、「プロジェクト」です。



そして有史以来、こうした性質の仕事を進めていくために、先人は「プロジェクトマネジメント」という知恵を開発し何世代にもわたり磨いてきました。PDCAというフレームワークなどはその一部です。



目的に向けて合理的に物事を進めていくための考え方・方法論があることを教えるだけでも、彼らの心は随分軽くなると思います。





3.学業を、課外活動を充実させてこそ、の就活であること。

就活が大変だよ、前もって準備しなよ、といくらお題目を唱えたところで、彼らの心はなかなか掴めません。それはあくまでも、経験して知っている人同士だから実感できること。



秋口のセミナーに参加してガッカリして帰ってくる学生は、「正しいことを正しく伝えられた。だからなんだって感じ」「ネットで検索すれば出てくるような正論ばっかりだった。意味なかった。」といった感想を口にします。毎年毎年、揃ったように。



「正しいこと」は必ずしも「人の心に灯をともすこと」ではありません。あまりに正確に伝えようとすると、却って慇懃に受け止められかねませんし、こうしたこの時期から意欲的に動こうとする3年生のモチベーションを下げてしまっては、却って逆効果です。



むしろ、彼らの背中を軽く押してあげること。そして、押した後は最後までできる限り伴走するスタンスであることをしっかりと示すとよいと思います。



就活はあくまでも学生生活の一部であり、そんなことに時間を割くために入学したわけではないはず。



充実した学業、課外活動、そしてキャリ選択という3つの結果を総取りするためにどうしたらいいのか。



苦行を押し付け突き放すのではなく、これからの1年を少しでも豊かにするための前向きなメッセージを、ぜひ伝えたいものです。