面接。超えなきゃいけない4つの壁 (その3)
カテゴリー:就活
ボンヤリの壁を越えれば、面接官は一応あなたが何を言っているのかは理解できます。いよいよ、ここからが本番です!
3つ目の壁は「なんで?の壁」。最難関と言っても良いでしょう。ESなんて、この壁を越えられないと最初の1、2行しか読んでもらえずに終わってしまうこともしばしば。
特徴は大きく2つあります。
1. 面接する側の意図を理解していない 2. 論理的でない、整合性が取れない
なんだ、たいしたことないと思うかもしれませんが、大学の名前に関係なく、学生は総じて苦手です。しかも苦手だってことに、面接に挑戦するまでは気づいていません。実際にやってみると「あれ?話しにくい??…いや、頭の中に伝えようとしていることはあるんだけど…おかしい、言葉が出ない…。あれ?今何聴かれてんだっけ?いや、おれ何喋ってた?ん?…やばい、頭真っ白になってきた…」と、あっという間にお祈りメールフラグが。
実際に模擬面接をやると、圧倒的に1.ができていない人が多いんです。
例えば、あなたの専攻、学科や研究テーマを選んだ理由を尋ねた際に、結論をコンパクトに示してくれる方は殆どありません。大抵、「1年の時に今のゼミの先生の講義を受けたら面白くて、先生がスゴイイイ人で~、ゼミの先輩と話をしてみたらすごく面白くて、一度ゼミに誘ってもらって参加したんですけど~…」等々、その「プロセス」を順番に説明しがちです。
新卒採用面接は、他の採用と何が違うのか?何を確認したいのか?そのために面接の場で企業側はどんな観点から何を訊きたいのか? これが分かっていれば、「プロセス」ではなく「理由」、つまりあなたがどんな着眼点で課題を認識するのか、それに基づいてどんな行動をしたのかを説明してほしいことが理解できると思います。
2.の論理的であること、そして整合性があることというのは、因果関係に間違いがないことや、判断や行動の根拠が正確だと読み取れること、スタンスに一貫性があることなどでしょうか。
ESの趣味の欄に読書と書いていあるので、「本がお好きなんですね。最近読んだ本で一番心に残った本は何ですか?」と尋ねると、しばらくモゴモゴした挙句、「特には思いつきません…あまり本は読んでないんで」と返ってきて唖然としたことがあります。
自分の魅力を伝えるために書いた書面、面接の時間をこんな形で棒に振るのは本当に勿体ないですよね。でも意外と、面接を15分、20分やっていると矛盾が露呈するケースは少なくないんです。
飾ろう、盛ろう、良く見せようとうわべと企業の顔色ばかり窺うと、望む結果は遠のくという皮肉な結果になりがちです。
最後に、今年これまで約300名の学生と対峙して面接を行ってきたなかで、一番すとんと腑に落ちた言葉をご紹介しましょう。
「なぜ、観光学を専攻しようと思ったんですか?」
「はい、中学生の時、カナダに短期留学をする機会がありました。その際に同行してくださった添乗員さんのカナダに関する知識がビックリするほど豊富で、しかもいろんな角度から魅力を語ってくださって、私もカナダが大好きになりました。同時に、あぁ、こんな風に外国について詳しくなって、海外の方がその国をすぐに大好きになってくれるような魅力を伝えられる人になりたいと思い、将来は大学で観光学を学ぶんだとその時心に決めました。」
(つづく)