そのES、ちょっと待った。
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そしてもう1つは、採りたい人材とは方向感が違うので言いたいことは理解できるが採らない、というケース。むしろここまで完成度が高ければ、他社でごく普通にESが通るレベルだろう。
では、具体的にどんなESが読み飛ばされるのか。出してしまう前にぜひチェックしてもらいたい。
0.大前提:そこに意図はあるか?
伝えている内容がぼやけてしまい、何を言っているのかわからなくなる一番の理由は、そのESを読み終えた採用官に伝わってほしい“自分像”がボンヤリしていることだ。
伝えたい像がはっきりすれば、ストンと腹落ちするような内容を決めることができる。つまり、聴かれていることに条件反射的に応えるのでも、言いたいことを述べるのでもない。相手が聴きたいことを切り口に、自分について抱いて欲しい像が相手にとって一番理解しやすいことを、丁寧に分かりやすく伝えればよいことになる。
1.志望先に媚びを売っていないか?
落とされたくないという想いが強く働きすぎると、今、志望先企業が取り組んでいることや商品やサービスを過剰に褒めてしまいがちになる。企業にしてみれば、一緒に働く“供給者”になってほしいわけで、“イチ消費者(ファン)”の視点しか持てないのであれば、一生涯ファンでいてくれた方が良い。
2.分析に至らず感想で終わっていないか?
志望動機を示す際に、「自分がやりたいこと(=A)がある。貴社にはBがある。だから実現できる」という構成が目につく。なんでBがあるとAが実現するのか、全く言及されていなかったり、言及されていても明らかに論理的におかしい、あまりに論理に飛躍があるケースが少なくない。
3.全ての項目が、“あなたは誰?”か“何がしたいの?”に繋がっているか?
新卒採用で聞きたいことはこの2つに集約される。だからこそ、必ず自分の良さを伝えることを目的としつつ各項目への回答を組み立てなければ、聴かれていることに対して正しく答えたことにならない。どれだけ文章が素敵であろうと問いに応えていなければ、相手の立場に立って話を聴くことができないと判断されても仕方ない。
4. 読み手を想定し、分かってもらう努力をしているか?
読み手はあなたと世代も常識も大きく違うかもしれない。あなたが所属した大学や団体の常識を、当たり前に知っているだろうか?多分知らない。そうした“あなたには当たり前でも相手が知っているとは限らないこと”を丁寧に、分かるように伝える努力をしているだろうか。
面接と違って、抗弁できる場がないのがES。この程度でいいやと思って出す前に、ぜひ上記を確認してほしい。あなたが志望するその会社に、ずーっと憧れていて心底入りたい、どうしてもその会社でやりたいことがある、という相手と戦うことを忘れないでほしい。