秋の夜長にやることと言えば… その2
カテゴリー:これからの働き方
まずは、「きみの友だち」(新潮文庫:重松清)。
小説は苦手と言う方でも、出だしから思わず引き込まれてしまう、ほろ苦くも温かい物語。様々な登場人物の中から、思わず昔の自分を見つけてしまうことでしょう。クライマックスは涙腺が決壊すること必至なので、電車内で読むのは要注意。
頭の使い方を研ぎ澄ましたいぞ、という方には
「九マイルは遠すぎる」(ハヤカワミステリ文庫:ハリイ・ケメルマン)がおススメ。
表題作は、とあるレストランでの些細な出来事をみて合理的な仮説を重ねていくうちに、その裏に隠れた大きな犯罪が浮かび上がってくる、異色のミステリーです。
自分が世の中の課題を解決していくぞ、という意欲に燃えるあなたには、
「ソーシャル・ビジネス革命」(早川書房:ムハンマド・ユヌス)。
マイクロファイナンスの創始者です。貧しい人たちを救うためにはNPOやNGO、社会起業家とは異なる、より緻密な経営ができる企業体の必要性を説いています。彼の志を実現すべく立ち上がった企業が、どのように苦難を乗り越えていったのか、起業物語としても読み応え十分です。ノーベル平和賞受賞者が示唆する新たな働き方は、キャリア形成を考えるうえで無視できないでしょう。ちょくちょく日本にも来てますし、今年発足した介事連はユヌスの考え方をベースに日本の介護事業を事業社にも利用者にもよりよいものにしようと、ユヌスのお墨付きまで貰っています。
ファイナンス?よく分からないですよお金のことは、というあなたには
「ナニワ金融道」(講談社漫画文庫:青木雄二)。
一昔前の街金融が舞台なのでITを駆使するような話は出てきませんが、却ってシンプルに“お金が人間を使う様”を浮き彫りにしています。今やキャッシングのCMが当たり前にTVで流れていますし、大手銀行の傘下に収まっていたりもするので、内実は分かりにくいですよね。逆にそのあたりがむき出しに表現されています。FX投資でもやって小遣いを増やそうかな、なんてことが頭をよぎったら、真っ先に小豆相場のエピソードを読んでみてください。
社会人になると、モノを読む量が格段に増えると思います。限られた時間の中で量をこなせるようになるのも、必要は資質の一つでしょう。苦手な人は今から少しずつ、できることからはじめて行ってはいかがでしょうか?